元木湧くんと10年分のやさしさの話

 

白い光を真っ直ぐに浴びて、キラキラと眩しくてあたたかい笑顔が輝く。曲が流れて踊り始めたらそこはもう湧さんの世界で、彼が口を開いて一言放つだけで黄色い歓声が上がる。隣には20人の頼もしい仲間がいて、いっぱいになった客席をふわりと見つめる。湧さんの動きや表情1つひとつにたくさんの観客の心がひとつ、またひとつとときめいて、今日も誰かの人生が動きだす。

 

 

 

11歳の少年が、21歳の青年になった。

 

 

 

仲間とふざけ合いながら大きな声で無邪気に笑う姿は今も少年のようで、

大きな背中を見せて後輩を引っ張っていく姿や仕事に対する真剣な眼差しは年齢よりずっと大人びて見える。

 

 

10年前の湧さんは、10年後もアイドルでいることを想像していたのだろうか。

 

 

 

「今1番楽しいことは?」の質問に「仕事」と答えたのは最近のことで、「僕にはこの道しかない」と教えてくれたのは湧さんがまだ高校生だった頃。

 

「アイドルはファンに夢を見せてあげられる存在だと思うから、自分の美学として弱いところを見せないようにしたい。」この前の雑誌で教えてくれた。

 

 

いつもまっすぐな言葉で伝えてくれる、湧さんのアイドルに対する向き合い方や在り方は、湧さんを応援できて幸せだなあと噛み締めるところのひとつ。

 

 

決して口先だけじゃない、言葉に負けないくらいの熱い眼差しとがむしゃらな姿勢でアイドルとして走り切ってきたこの10年、

 

その笑顔でたくさんの人に大きくてあたたかい元気を届けてきたのだろう。

 

 

名前の由来はちゃんと聞いたことないけど、周りにいる人の元気が湧く存在になりますようにって意味が込められてるんじゃないかって前に話してたね。

 

あまりにもあなたにぴったりな名前で、楽しいことだけではない世界であたたかく眩しく優しく輝く、世界でいちばんのアイドルだと思っています。

 

 

 

 

 

湧さん、入所10周年おめでとう。

 

 

10年目のアイドル人生を歩む湧さんも様々な場所で活躍していたけれど、記憶に新しいのはつい先日まで3都市に渡って上演された少年忍者初の主演舞台「俺たちのBANG!!!」。

 

 

メンバーと楽しそうに笑って、ギャグを披露して、会場が揺れるぐらいの声でツッコミをして、でも音楽がかかったら湧さんの世界が広がる、客席の隅から隅まで煌めきを届けて、常に期待以上のパフォーマンスを見せてくれる、いつもの、それでいて進化を止めない、最高のアイドルの湧さんがそこにはいた。

 

 

でも1つだけ、今までになかったことは、メンバー全員が本人役として出演したこの舞台、台本も演出もみんなで意見を出し合いながら決めていったという中で、湧さんはこれまで見せてこなかった不安や弱音を台詞として口にしていたこと。

 

 

 

もう1年近く前、最年長としてみんなを引っ張っていきたい、もう誰にも悲しい思いはさせないと伝えてくれた湧さんが言った

 

「最年長ってなんだろうなって」

「みんなを引っ張るって、みんなを見守るって、結局年下に頼ってばっかりでこの1年何も変われてない」

 

同じ日に入所してから10年の時を共にしてきた颯太くんの胸ぐらを掴みながら言った

 

「お前に俺の気持ちがわかんのかよ」

「俺と青木にはなあ、もう時間ねえんだよ」

 

 

目の前が全部、真っ白になった。

 

涙がただただ止まらなくて、もうその後の台詞はなんにも聞こえなくて、ステージにいる湧さんを見ることが出来ずに顔を伏せてしまったのなんて、初めてだったかもしれない。

 

聞きたくなかったけど、全部現実だった。だから全部、聞きたくなかった。

 

ずっと、湧さんなら大丈夫だと思っていた。

 

 

かわいいケーキを買ってお祝いしようと考えていたアイドル10周年も、ノニジュース飲んでお祝いしようかって友達と笑って楽しみにしていた22歳の誕生日も、

ああもう、楽しくお祝いなんてできないかもしれないと思った。

 

 

 

 

 

ついこの間更新されたブログ、湧さんは舞台の内容を振り返りながら「あんまり深刻に考えなくていいよ」と伝えてくれた。

やさしい人だと思った。

 

 

湧さんが言う通り、舞台上での湧さんの言葉はあくまでフィクションの物語の中の台詞に過ぎないけど、それでも1度くらい、もしかしたらもっと、こんなことを思う日があったのかもしれないなあと思う。

 

いつも見ているつもりでもやっぱり湧さんのことはまだまだ知らないことだらけで、今日をアイドルとして生きる湧さんのことちゃんと応援できてたかな、この言葉、この姿勢、ファンとして正解だったのだろうか、と不安になることばかりで、ダメダメなファンでごめんねと思う。

 

 

でも、それでもずっと湧さんを応援していたいと思うのは、湧さんがいつも真っ直ぐで前向きな未来の話をしてくれるからで、ステージで魅せる力強くて湧さんにしかできないパフォーマンスに何よりも心を動かされるから。

 

悲しくて寂しくてどうしようもなくなった日に画面越しの湧さんのギャグを見てふっと笑えた日のこと、朝の満員電車に揺られながら思い出す湧さんの言葉が心のお守りになっていたこと、湧さんに会える日のために可愛い服を探して美容院に行って友達と楽しみだねって連絡し合う毎日が楽しくて仕方なかったこと。

 

やっぱり、湧さんがいいな。こんなに大好きなアイドル、こんなに大切な存在、どんなときもあたたかく心を照らしてくれる太陽みたいな人、全部湧さんがいい。

 

 

 

 

 

 

湧さんの、アイドルはみんなに笑顔や夢を届ける存在で弱いところは見せないようにしたいというポリシーは湧さん自身の中でのアイドルとしての美学で、誰かを助けるために無理してやっていることではないのだと思う。

いつかのプロフィールの将来の夢の欄に書いてあった「理想のアイドルに俺はなる!」に、湧さんにとっての理想のアイドルの形ってこういうことだったんだなあって、最近の湧さんを見ていて思う。

 

だから、ファンがありがとうというのはちょっと違うのかもしれないけど、それでも本当に感謝しているよ。

 

 

喧嘩のシーンのつらすぎる台詞たちを聞いたとき、聞き慣れない湧さんの声とマイナスな言葉に逃げ出したくなる分だけ、これまで湧さんの明るくて前向きな言葉や表情にどれだけ助けられて守られてきたのか痛感した。

 

守るつもりで紡いできたものではないのかもしれないけれど、湧さんのアイドルとしてのスタンスに、優しさに、ずっとずっと守られている。

 

 

何年か前の湧さんの誕生日に自分が書いたブログを読み返したらね、弱音を吐かずに前に進んでいってしまう湧さんを見てるとちょっと寂しいって書いてあって笑っちゃったの。

 

最近たまにこぼしてくれるようになったちょっとした弱音やこれからもっと頑張りたいことのお話も、湧さんの努力の欠片を少しだけ見られている気がしてうれしいんだよ。

でもマイナスな言葉の後は大抵未来に向かっての明るい言葉やもっと頑張りたい!って前向きな決意表明で締めくくってくれる湧さんにも、実はきっとたくさん助けられている。

 

いつも優しい言葉をくれてありがとう。

いつもファンを笑顔にしてくれる存在であり続けてくれて、本当にありがとう。

 

 

 

前はこんなに素敵な湧さんだから悲しい出来事になんて1つも出会わないでほしい、悔しさも苦しさもなく、幸せや楽しいの気持ちだけがずっと降り注いでほしいって思ってたんだけど、

でも湧さんは、たくさんの経験をしてより一層強く優しくなってきたのかなあとも思うから。悲しさも苦しさもそれを自分の懐に入れて幸せに変えてしまう人だと思ったら、だから今はもう、なんにも心配してないよ。

 

厳しいことも山ほどある世界なのかもしれないけど、それ以上に明るくてキラキラした夢だけを切り取って届けてくれる人だから、笑っちゃうぐらいこっちの心配とか不安とかの遥か上の結果を残してしまう人だから、心配する隙さえ与えてくれない、でもそれがきっと、湧さんがなりたいアイドルで、私が大好きなアイドルなんだと思っています。

 

 

 

 

 

湧さん、入所10周年おめでとう。

 

湧さんは自分のファン以外からも本当に愛されている人で、メンバーからも、先輩後輩からも、他のメンバーのファンからも。

きっと湧さんの日頃の行動の積み重ねがあってこそだから、そんなところが本当にかっこよくて憧れるなあと思う。

 

いろんな人から湧さんの褒め言葉を聞く度にうれしくて仕方なくて自慢の自担だ!と思うと同時に、たまーに、心のどこかで湧さんのファンでいる自分の存在意義がわからなくなる。みんな大好きな湧さんなんだから、私なんかが湧担である意味って、何なんだろうって。(めんどくさすぎる  ごめんね)

 

 

でもこの前の雑誌で伝えてくれたこと、

 

「オレをアイドルとしてステージに立たせてくれてるのはみんな」「ひとりひとりが大事な存在で、"みんながいないと自分が頑張る意味がなくなる"と思ってるくらいだよ」

 

ああ、どこまでも湧さんには敵わないなあと思った。いつもファンの心を読み取るかのように優しさをくれて、不安には先回りして安心できる言葉をくれる。

 

優しさは目に見えるものじゃないし、ましてや直接会って話せる友達でもないアイドルの優しさなんて本物か分からないはずなんだけど、それでもやっぱり、湧さんはやさしい人だなあと思っているよ。

 

 

 

 

 

俺たちのBANGでは、湧さんと檜山くんがもしこの仕事をしていなかったら、と話す場面があった。この仕事をしている今が1番楽しいと話す2人の表情と頼もしい言葉が大好きだった場面。

 

よく、湧さんがアイドルじゃなかったらって考える。

 

かっこよくて明るくて面白くて優しくて、そんな湧さんはきっとどんな環境にいても楽しんで上手くやっていけそうな気がする。部活に打ち込む学生時代を送って、放課後は友達とたくさん遊びに行って、学校行事に全力で、バレンタインは抱えきれないくらいのチョコレートをもらって、好きな人と堂々と手を繋いでどこにだって行けて、今頃上司からも後輩からも慕われる立派な社会人とか、持ち前の明るさで仲間から大人気の陽気な大学生になってたかもしれない。

 

絵に書いたような青春がとてもよく似合いそうな人が、人生の約半分をアイドルとして過ごしている。アイドルだからといって私生活の自由を失う必要はないし、アイドルだからこそ描ける青春もある。湧さんは学校生活を振り返って楽しそうに思い出を話してくれるけど、どうしても制限されることだってあるんだろうなあと思う。

 

大切な10代20代の時間を犠牲にしてアイドルでいてくれてありがとう。ファンがアイドルに感謝を伝えるときによく聞く言葉だ。ステージに立ってくれていることに、今日もアイドルでいてくれることに、感謝の気持ちを忘れてはいけない。

 

それでも、湧さんはそんな普通の青春を犠牲にしてアイドルをしているわけじゃなくて、アイドルという道に誇りを持って、そして誰よりも楽しんで突き進んでいる人だと思う。

そう思わせてくれる湧さんは本当に本当にすごくてかっこよくて、これもファンに対するかけがえのない優しさだと思っているよ。

 

 

 

 

 

やさしすぎるくらいにやさしい湧さんへ、どうか、最年長だからって1人でたくさん背負いすぎないでね。でも、誰かのために考えて気を配れるところも、心配に思う気持ちなんて跳ね返されてしまうくらいに眩しくて明るい湧さんのことも、まっすぐに仲間を信じて愛するその心も、たまに教えてくれる最近の悩みや心配事も、全部愛おしくてかっこよくて大好きだよ。どんな湧さんも大好きだし、どんな湧さんも正しくて、全部が正解、100点満点!だから、どうか、ずっと元気でいてください。

湧さんから見える世界は湧さんにしか分からないから、湧さんがいちばん楽しいと思える景色を見ていてくれたらそれが何よりもうれしいです。

 

 

10年もの間積み上げてきた優しさはきっとこれからの湧さんに跳ね返って大きな幸せとなって届くから、だからきっとこれからのアイドル人生もあたたかくて煌めきに満ちたものになるね。

これからはどんな湧さんの姿を見られるのか、ずっとずっと楽しみだよ。不安なんて少しもないから、いろんな夢を見ようね。

 

 

世界でいちばんやさしくてかっこよくて煌めきに溢れた湧さんが、大切な仲間と一緒にずっと幸せに夢を叶えられる日々が続きますように。

 

 

今日もアイドルでいてくれてありがとう!

 

 

 

 

 

 

2023.06.23